肝動脈塞栓術にて5年3ヵ月の現在,生存中・Vp<SUB>3</SUB>(旧Vp<SUB>4</SUB>)肝細胞癌の1例
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概要
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2度の肝動脈塞栓術(TAE)にて門脈本幹内腫瘍塞栓(Vp<SUB>4</SUB> TT)が消失し,初回TAE後5年3ヵ月の現在,元気に生存中の肝細胞癌を経験したので報告する.症例は62歳男性で近医にて肝腫瘍を指摘され来院した.門脈造影像では,門脈本幹内に1/3周以上の陰影欠損を認め,右門脈枝は造影されず肝門部にはCavernous transformationが存在した.肝動脈造影像では,肝右葉(主に前区域)にびまん性の淡い染まりを認めた.右肝動脈より抗癌剤,Lipiodolとスポンゼル混合末によるTAEを施行した.TAE後,Vp<SUB>4</SUB> TTは消失し腫瘍及び臓瘍塞栓内には,びまん性にLipiodolが集積し,肝右葉の梗塞様萎縮と左葉の代償性肥大が認められた.その後,S<SUB>6</SUB>, S<SUB>3</SUB>の腫瘍に対し再度TAEを施行し,初回TAE後5年3ヵ月後の現在,新たな肝内腫瘍の出現もなく元気に生存中である.