ヒト肝細胞癌における腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の分離増殖と抗腫瘍活性について
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概要
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肝細胞癌組織の腫瘍浸潤リンパ球(tumor infiltrating lymphocyte: TIL)をIL-2を含む培地で培養増殖し,活性化を試みた.15例の肝細胞癌患者の切除腫瘍組織(肝13例,肋骨転移巣2例)よりTILを分離した.リンパ球の回収率は腫瘍1gあたり5×10<SUP>5</SUP>から5×10<SUP>7</SUP>個,平均1.35×10<SUP>7</SUP>個であった.回収したリンパ球はCD3陽性のTリンパ球が主体を占めていた.このリンパ球をIL-2(シオノギS6820),2,000JU/mlを含む培地で培養した.混入していた腫瘍細胞は培養約10日後に消失した,リンパ球は,15例中10例で100倍以上に増殖した.抗腫瘍活性は培養後2から4週で高く,Daudi細胞をtargetとしたE:T比20:1の<SUP>51</SUP>Cr release assayで13例中8例が50%以上の値を示した.以上より肝細胞癌のTILは,細胞数,抗腫瘍活性の点から,養子免疫療法におけるcytotaxic cellとして有用であると考えられた.
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