ブタ初代単層培養肝細胞を用いたハイブリッド型人工肝臓の基礎的研究
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概要
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著者らは,初代単層培養肝細胞を用いたハイブリッド型人工肝臓を開発し,重層したイヌ単層培養肝細胞が無肝犬を延命する肝代行機能を持っことを明らかにしたが,さらに本システムの臨床応用への可能性をブタ肝細胞を用いて検討した.ブタ肝臓からコラゲナーゼ灌流,振盪の2段階法により分離した肝細胞を,L-15培地および100%血漿中で単層培養し,細胞の動態を経時的に観察した.ブタ肝細胞はL-15培地中で2週間に亙り均一な単層を維持し,尿素合成能,糖新生能,アルブミン合成分泌能など広範囲な肝細胞機能を良好に発現維持した.さらに100%ヒト血漿中でもブタ肝細胞は変性,死滅することなく良好な形態,単層を維持し,L-15培地中に劣らず,人工肝のbioreactorとして満足すべきviabilityと細胞機能を発現維持した.以上の結果よりブタ肝細胞は,初代培養肝細胞を用いたハイブリッド型人工肝臓のbioreactorとして有用であると考えられた.