肝静脈分離・活性炭吸着(HVI・DHP)下大量肝動注療法におけるAngiotensin II併用の有用性に関する実験的検討
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概要
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肝静脈分離・活性炭吸着(HVI・DHP)下adriamycin (ADR: 3mg/kg)の大量肝動注療法におけるangiotensin II (AT-II: 3μg/kg)併用の有用性を検討した.犬でADR及びAT-IIをHVI・DHP下に5分間動注し吸着率を検討した.またAT-IIの動脈圧(MAP)及び腹部大動脈血流量(ABF)に及ぼす影響をHVI・DHPの有無で比較した.次にVX2腫瘍を家兎の肝被膜下に移植し,2週後HVI・DHP下にADRを動注し,腫瘍及び肝組織濃度をAT-II併用の有無で比較した.HVI・DHP群(n=12)ではADR, AT-IIの吸着率は約90%と良好でMAP, ABFに変化を認めなかった.非併用群(n=10)ではAT-II動注後3〜5分間でMAP, ABFは前値の156%及び54%と著しい変化を示した(p<0.01).腫瘍/肝組織ADR濃度はAT-II非併用群(n=5)の0.17に対し併用群(n=5)では1.95と上昇した(p<0.005).HVI・DHP下でのAT-II局所肝動脈内投与は昇圧など全身循環への影響がなく,腫瘍への薬剤到達性を高め有用と思われた.
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