門脈圧亢進症に対する上腸問膜静脈・下大静脈H吻合術の臨床的研究-手術手技と術後成績の検討-
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概要
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門脈圧亢進症に対する治療法として上腸間膜静脈・下大静脈H吻合術を37例に施行し,次の如き結論を得た.本法は手術時間も短く且出血量も少い侵襲の小さい術式であり,シャント作成後の門脈圧も200〜300mm水柱であった症例は全体の70%であり,高い門脈圧が維持されている.しかし減圧は十分であり,1年以上経過した症例の食道静脈瘤は内視鏡的には白色となっている.術後向肝門脈血流は26例に於て血管造影にて証明され,飲酒を続けていた1症例を除き,肝不全症例はない.以上の如く本法は従来の門脈圧減圧手術と異なり,食道静脈瘤からの出血を防止しつつ,門脈血の肝への流入を維持し得る術式であると思われる.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
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