HBsAg陽性各種肝疾患における非特異的抗ウイルス物質の検討
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概要
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B型肝炎ウイルス(HBV)感染症患者血清中に非特異的抗ウイルス物質(anti-viralsubstance, AVS)の存在を証明し,その簡便な測定法を考案した.AVSはウイルス特異性がなく,また種特異性も認めない.比較的易熱性の分子量約80万の物質と推定された.また血清AVS値とHBsAg陽性各種肝疾患との臨床病理学的検討では以下の結果を得た.1) HBsAg陽性各種肝疾患群では,その対照であるHBsAg陰性健康成人群に対し有意に高値を示した.2)肝組織像の検討では活動性および慢性化を反映しAVSは高値を示した.3) 肝機能検査成績上では,血清GPT値と負の相関を有し,BSP値と正の相関を示した.4) HBV関連マーカーとの検討では,急性肝炎例の血清AVS値の推移がHBsAgの抗原価の推移と類似し,e抗原陽性群はe抗体陽性群に比し有意に高値を呈した.以上の成績より血清AVS値の血中動態がHBV感染症に重要な相関関係を有すると考えられた.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
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