肝細胞癌127例の臨床病理学的研究
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概要
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過去13年間に経験した肝細胞癌127例について臨床病理学的に検討を加えた.肝細胞癌症例の性別は男女比約8:1であり,確診時の平均年齢は55.5歳であった.HBs抗原陽性例の平均年齢はHBs抗原陰性例より6歳若年であった.HBs抗原の陽性率は50%, HBs抗体の陽性率は12.6%,またHBe抗原はHBs抗原陽性例の20.7%が陽性であった.HBc抗体の陽性率は87.1%(101例中88例)で,さらに200倍希釈血清で陽性は68.3%であった.HBs抗原陰性例の27.3%においてHBc抗体が200倍希釈血清で陽性であった.<BR>血中AFP値では肝細胞癌の81.2%が200ng/ml以上を示し,AFP非産生例は10.3%であった.早期診断のスクリーニングとして各種の腫瘍マーカーと総合画像診断とを組合せることによって,比較的早期の肝細胞癌の診断が可能であった.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文