肝微細構造の定量的観察-正常ヒト肝,急性肝炎,慢性肝炎および肝硬変について-
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概要
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正常ヒト肝楔状生検11例,針生検5例,急性肝炎11例,慢性肝炎15例,肝硬変7例でBachの方法で核の直径,電子顕微鏡的に杉岡らの方法でミトコンドリアの体積,長径,短径,細胞質との体積比,数,Tomkeieffらの方法で小胞体の表面積を測定した.核は肝硬変で正常ヒト肝に比し大きい傾向がみられた.ミトコンドリアは楔状生検で針生検より小さい傾向がみられ,急性肝炎でも針生検に比して小さく,数の多い傾向がみられ,肝硬変では明らかに大きく,数は減少していた.粗面小胞体は楔状生検で針生検より減少し,滑面小胞体は急性肝炎,肝硬変で針生検より減少していた.正常肝での差は部位による血液供給の差によると思われ,急性肝炎では回復期に生検が行なわれたための変化と思われた.慢性肝炎では正常肝と差がなく,肝機能検査異常は機能の差によると思われ,肝硬変ではDisse腔の変化により酸素や栄養素の不足による変化や加齢による変化と思われた.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
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