肝悪性腫瘍の超音波診断について
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概要
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超音波による肝悪性腫瘍の診断に,腫瘍エコーを周囲肝組織エコーの強さと比較して定量する感度断層法を用い,腫瘍は,周囲肝よりも9〜15dB強いエコーを含むという結果を得た.この方法は,従来,装置側要因や,肝についての音響学的基礎データーの不足から,困難とされていた腫瘍エコーの測定を,相対的定量という形で解決し得る良い方法であった.この試みと共に,超音波検査による腫瘍の確定診断を得る目的で,超音波検査下の狙撃的細胞診の試みを9例の肝悪性腫瘍に実施し,7例において成功し,又,全例何の副作用もなく実施出来,超音波による肝腫瘍診断を早期肝癌診断の有力なアプローチの方法としていける見通しを得た.その他,肝腫瘍の超音波断層所見の分類,スクリーニングの為の標準走査条件について検討を行つた.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文