実験的肝線維化およびcrude papainによる肝線維化抑制過程における酸性ムコ多糖の超微形態学的研究
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概要
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肝線維化過程におけるcollagen fiber形成に占める酸性ムコ多糖(AMPS)の役割を追究した.すなわち,四塩化炭素(CCl<SUB>4</SUB>)起因実験的ラット肝線維症において,AMPSを消化し,且つcollagen fiberの増生を抑制すると知られているcrude papainの肝線維化抑制機序をruthenium red染色法を用い電顕組織化学的に観察した.障害肝のAMPSが蓄積したDisse腔の線維芽細胞様細胞周囲にはcollagen fiberの成熟過程を示唆するfilament, microfibrilおよび未熟なcollagen fibrilが観察され,類洞内皮細胞直下に存する基底膜はruthenium red陽性を呈した.crude papain併用群はCCl<SUB>4</SUB>単独投与群に比べ,AMPSとcollagen fiberの増生は軽度で,新生したcollagen fibrilの幅は不規則,且つcollagen fibrilの周期性横紋に一致し,その外側部に通常存在するruthenium red陽性顆粒が認められない部分が目立ち,一部の線維の変性,崩壊の所見がみられた.crude papainの肝線維化抑制機序としてAMPSの消化による2次的なcollagen fiberの成熟障害が推測された.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
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