D-Galactosamine肝炎における肝の血液循環障害と病理組織学的変化との関係について
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概要
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ラットにD-Galactosamineを投与したのち,摘出肝潅流実験によって肝血流量,酸素消費量,胆汁産生量を測定し,これらの成績と肝の組織学的変化との相互関係を検討した.<BR>D-galactosamine肝炎では肝血流量,酸素消費量および胆汁産生量は著明に減少しており,肝血流量の減少は1)肝細胞の腫大による類洞狭窄,2)星細胞の腫大増殖,大単核球や好中球浸潤,3)肝細胞の単細胞性又は巣状壊死による類洞崩壊によると考えられた.かかる器質的変化による小葉内の限局性循環障害が肝の巣状又は広範性壊死の発生に密接な関係があると考えられた.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文