ラツト肝及びヒト肝におけるsterol-ester水解酵素に関する研究
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概要
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sterol-ester水解酵素(E.C.3.1.1.13)はラット肝,ラット膵,ラット脳,ヒト胎盤,ヒト肝等種々の組織に存在しているが,それらの酵素活性は極めて低いとされている.こに対して,著者はTriton X-100またはlysolecithin処理によって極めて高い活性を示すsterol-ester水解酵素をラット肝およびヒト肝microsome分画に見出した.本酵素の至適PHは約6.6である.Triton X-100による本酵素の活性化はmicrosome分画からの本酵素の可溶化によるものと思われるが,lysolecithinの場合はTriton X-100の場合と同程度に活性化するにもかかわらず本酵素の可溶化はその一部にすぎない.したがって,lysolecithinの本酵素に対する活性化機序は,Triton X-100の場合とは異なっているものと推論される.種々のcholesterol ester中,cho-lesterol acetateがもっとも適した基質であった.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文