肝門部脂肪肉腫による閉塞性黄疸の1剖検例 : 大腿部肉腫の併存例
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概要
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76歳男.食欲不振,意識混濁にて入院.入院後黄疸はしだいに増強し,閉塞性黄疸の像を呈した.肝シンチグラムでは肝外腫瘍による右葉の挙上がもっとも考えられた.経皮経肝胆道造影像では肝内胆管は著明に拡張蛇行し,また拡張した肝管は左右とくに左側から圧迫されていた.総胆管はその起始部から4cmぐらいの範囲にわたって狭窄されており,この部に主病変があるものと考えられた.その後全身状態はさらに悪化して,第18病日に死亡した.剖検により肝門部に小児頭大の腫瘍があり,これが胆道を狭窄していた.また右大腿外側に3×4cm大の腫瘍があった.組織学的にこの2ヵ所の腫瘍はStoutの円形細胞性脂肪肉腫と診断された.脂肪肉腫は軟部組織の悪性腫瘍のなかでは比較的頻度の高いものとされているが絶対数からはいまだまれな疾患である.閉塞性黄疸を主徴とし,肝門部と大腿部に脂肪肉腫を認めた興味ある症例を報告した.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
著者
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村井 哲夫
藤沢市民病院病理
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伊藤 進
藤沢市民病院呼吸器外科
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関 英雄
藤沢市民内科
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関 英雄
藤沢市民病院 消化器科
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高邑 裕太郎
藤沢市民病院 消化器科
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河野 智之
藤沢市民病院 消化器科
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鈴木 修
藤沢市民病院 消化器科
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小野 忠
藤沢市民病院 消化器科
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伊藤 進
藤沢市民病院 消化器科
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