Polyenephosphatidylcholineによる肝炎の治療 : 肝細胞の電子顕微鏡的観察
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概要
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ウイルス性肝炎の際には種々の肝機能障害とともに,光学顕微鏡的あるいは電子顕微鏡的に著しい形態異常が肝組織にみられる.一方,生体の構造は種々の膜系によって形づくられており,生命現象の重要な生化学反応の多くはその膜でおこなわれている.肝臓においても同様でその機能は複雑多岐であるが,ここでもその生化学反応の多くは肝細胞を構成している生体膜を場としておこなわれている.そこで,生体膜の必須構築物質である活性ポリエンホスファチジルコリンを主成分とするEPLで肝炎の治療が試みられ,肝機能検査成績および肝生検組織像の改善に有効であったとの報告がなされている<SUP>1〜3)</SUP>.著者らは慢性肝炎で組織学的に肝細胞の変性所見が目立つ症例についてEPLによる治療をおこない,その効果を肝細胞の形態の面から光学顕微鏡的ならびに電子顕微鏡的に検討し,EPLの効果によると考えられる改善所見を得たので報告する.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
著者
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小坂 淳夫
岡山大学 小坂内科
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太田 康幸
岡山大学 小坂内科
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小林 敏成
岡山大学 第1内科学教室
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山田 剛太郎
岡山大学 第1内科学教室
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太田 康幸
岡山大学 第1内科学教室
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小林 敏成
岡山大学 第1内科
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小坂 淳夫
岡山大学 第1内科学教室
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