Tetrakis (nicotinoyloxymethyl) cyclohexanol (Nicomol)とEthyl chlorophenoxyisobutyrate (Clofibrate)の脂質代謝 : および肝の諸酵素活性に及ぼす影響について
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概要
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高中性脂肪血症を伴った家族性II型の高リポ蛋白血症にTetrakis (nicotinoyloxymethyl) cyclohexanol (Nicomol)とEthyl α-(p-chlorophenoxy)-isobutyrate (CPIB)を併用した所,CPIB単独投与よりも血清脂質低下作用が顕著であったことから,両薬物単独あるいは併用の,脂質代謝,薬物代謝酵素および糖代謝律速酵素におよぼす影響をラットを用いて調べた.その結果,血清中性脂肪の低下作用は,Nicomol, CPIBいずれにも認められたが,両薬物の相加効果は認められなかった.CPIB投与および両者併用では,肝の重量,蛋白量,燐脂質量の著明な増加とグリコーゲン量の減少がみられたが,Nicomolではこのような変化はみられなかった.薬物代謝酵素活性は,Nicomol投与でわずかに増加する傾向にあり,CPIB投与で有意に増加し,両者併用でさらに増加した.Nicomol投与で肝のglucokinase, hexokinase, glucose 6-phosphate dehy-drogenase活性は有意に変化せず,GPIBではこれら酵素活性の有意な変化がみられたが,肝実質障害を示す酵素パターンはみられなかった.