Lysosomeからみた閉塞性黄疸肝の病態について
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概要
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ラットの閉塞性黄疸,急性CCl<SUB>4</SUB>障害についてβ-glucuronidase活性を検索し次の結果を得た.(1) 血清B-Gは閉塞期間延長とともにしだいに上昇するが,4週以後およびCCl<SUB>4</SUB>投与群では低下した.(2) 肝homogenate B-Gも閉塞期間延長につれ上昇.(3) lysosome画分のtotal activityは閉塞期間延長にしたがって低下.(4) lysosomeの脆弱性は胆管閉塞後早期に増大,以後4週まで同程度を維持したが6週後にはむしろ低下し,control群値と有意差がなくなった.CCl<SUB>4</SUB>投与群は閉塞群の4週群程度で,結局脆弱性はある程度以上増大しないと思われた.(5) 電顕では胆管閉塞3〜4週にかけてlysosomeが増加するが,6週になると減少の傾向を示した.<BR>以上より閉塞性黄疸において経時的に血清B-Gを測定することにより,肝障害の程度,そして閉塞解除後の肝の回復の程度まで,かなり推定できるものと考えられた.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文