同心円筒形DCグロー放電によるa-Si : H成膜時の基板加熱の解析
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概要
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DCグロー放電によるa-Si:Hの成膜中に, 円筒形のカソード基板とカソード外側に設置された円筒のアノードおよびカソード内側のヒーター筒の表面温度を熱電対を用いて測定した.この結果, これらの温度はプラズマ投入電力により上昇することが見いだされた.プラズマ投入電力が基板上で熱に変換される割合を明らかにするために, 基板に関する現象論的な熱伝導解析を行った.<BR>基板が加熱されるメカニズムを知るために, カソードシースにおけるイオンと高エネルギー中性分子のエネルギー分布を, ボルツマン方程式を用いて計算した.イオンは中性分子と, 弾性衝突および電荷交換衝突を受ける.本研究では成膜圧力が比較的高い1<I>Torr</I>と設定されたために, イオンは中性分子と多数回の電荷交換衝突を受けることになる.したがって, 基板に到達するイオンよりも電荷交換により生じた高エネルギー中性粒子の方がはるかに多い.高エネルギー中性分子の, 熱運動中性分子との弾性衝突を, すり抜け散乱とすれば, 基板に到達する高エネルギー中性分子のエネルギーは, 基板加熱に十分な熱量になり, 先の熱伝導解析結果と良く一致する.この結果, プラズマに投入された電力の60から70%が, 基板加熱に使われていることが明らかになった.
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