低含水率条件下における木粉の直接液化反応
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概要
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木材から重油状燃料を製造することを目的とした, 直接液化反応における原料中の含水率の影響を検討した.木粉のアルカリ水溶液中における直接液化反応のエネルギー効率の向上のため, 含水率の影響について一連の実験を行った.<BR>この結果, 含水率60%において液化油の収率が最大に達した. 含水率60%を越えると収率はゆるやかに低下し, 60%以下では収率は著しく低下することが判明した. また, 液化油の発熱量も含水率に依存し, 含水率が高くなると発熱量は下がる傾向があった. プロセスに必要な熱量と得られた液化油の熱量との比で定義したECR (エネルギー消費比率) は, 含水率60%において最も低くなった.以上の結果から, 含水率60%のとき, 液化反応は最もエネルギー的に有利であることが判明した.なお, 最適含水率における触媒添加量, 反応温度, 保持時間の影響についても検討した.