超臨界二酸化炭素を用いたエタノール濃縮に関する基礎的研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
二酸化炭素-エタノール-水系の高圧相平衡測定を行い, 超臨界二酸化炭素によるエタノール水溶液の高濃度濃縮の可能性について検討した.測定はエタノール高濃度域において二相分離を生じる温度, 圧力条件下 (303.2〜363.2K, 5.6〜13.2MPa) で行った.その結果, 液相エタノール濃度0〜99.2mol% (CO<SUB>2</SUB>フリー) において超臨界流体相エタノール濃度 (CO<SUB>2</SUB>フリー) は液相エタノール濃度 (CO<SUB>2</SUB>フリー) を上回り, 常圧下の共沸組成以上の濃縮が可能であることが判明した.また, 抽出の温度, 圧力条件について検討し, エタノールの水に対する分離係数と超臨界流体相へのエタノール溶解度の関係より, 10.1MPaの等圧下における抽出の場合, エタノール低濃度領域では常温付近 (たとえば303.2K) での操作が適し, エタノール高濃度領域ではより高温 (たとえば333.2K) での操作が適していることを示した.
- 社団法人 化学工学会の論文