電気透析法によるチーズホエーの脱塩 : 限界電流密度に対する脱塩率と固形分濃度の影響
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概要
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電気透析法を用いた還元チーズホエーの脱塩処理において, 限界電流密度に対する脱塩率と固形分濃度の影響を調べた.電槽には, 陰イオン交換膜のみを組み込んだ.<BR>ホエーを脱塩した場合, 脱塩率70%までは, 限界電流密度は導電率に比例して減少した.脱塩率70%を越えると, 限界電流密度は急激に減少したが, これはホエー中のCl<SUP>-</SUP>イオン濃度がほぼ0になることに対応した.このことは, 限界電流密度に近づくと, 膜面近傍でのイオンの移動は主に濃度拡散によるようになるが, Cl<SUP>-</SUP>イオンより拡散係数の小さいPO<SUB>4</SUB><SUP>3-</SUP>, クエン酸, 乳酸イオン等の大きな陰イオンが残るためである.<BR>固形分濃度の高いホエーを脱塩する場合, 限界電流密度は固形分濃度には比例せず, 導電率に比例した.これは, ホエーの固形分濃度が増加すると, 粘度が上昇し, イオンの電離度が低下するため, 固形分濃度に導電率が比例しなくなるためである.
- 社団法人 化学工学会の論文
著者
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平岡 康伸
雪印乳業 (株) 研究管理部
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富沢 章
雪印乳業 (株) 技術研究所
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小口 達貴
雪印乳業 (株) 技術研究所
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鈴木 悦子
雪印乳業 (株) 技術研究所
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神武 正信
雪印乳業 (株) 技術研究所