ゼオライトの過熱水蒸気による再生とその吸着特性に及ぼす影響
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概要
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可搬式気中造水装置設計のために, ゼオライトの過熱水蒸気による脱着特性とこのようにして再生したゼオライトの吸着特性について検討した.<BR>1) 再生後の断熱吸着現象のシミュレーションは実測結果とよく一致した.充填層温度は初期に急速に低下したのち, 一定となった.この一定温度は残存含水率および再生温度と無関係に一定となり, Pan らの式により推算することができた.2) 過熱水蒸気雰囲気で実測された平衡含水率は573K 以上では Polanyi の式から計算した値と一致したが, それ以下では計算値より小さな値になった.3) 過熱水蒸気からゼオライトへの伝熱係数は脱着速度から推算され, 150kg/m<SUP>2</SUP>・h の質量流速において約2.3W/m<SUP>2</SUP>・K となり, 兵働らの実験式から推算した値と一致した.4) 623Kの過熱水蒸気による1000回の再生を行ったのち, 平衡吸着量を測定したところ, 新品に比べて約15%の減少であった.また, X線回折パターンによる結晶構造に有意な変化は認められなかった.
- 社団法人 化学工学会の論文