溶剤抽出水添液化反応における石炭粒径の経時変化モデル
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概要
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従来, 石炭液化反応の速度論的解析は主に残渣の重量基準でとらえられてきたが, 実際のプロセスにおいては残渣粒子の粒径変化に関する知見が, 固液分離プロセスの選定, 設計のために重要である.そこで, 本研究では16/20meshの太平洋炭を原料とした溶剤抽出による水添液化反応を行い, 密度変化を伴う残渣の重量と粒径の経時変化を測定した.その結果, I.密度変化が顕著に生じ粒子が膨潤する領域, II.みかけ密度のみが一定となる領域, III.真密度, みかけ密度の両者が一定となる領域の3段階に分けられることを確認した.そこで, IIおよびIIIの領域に注目し, 残渣重量と粒径の両者を考慮した速度論的解析を行い, IIでは反応性の異なる2成分系のダブル・シュリンキング・コア・モデルを, また, IIIにおいては, 単一成分のシュリンキング・コア・モデルを適用したところ, 実験結果と良い一致を見た.