各種病魚から分離されたStaphylococcus epidermidisの性状に関する研究―II : 分離菌株の血清学的性状について
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概要
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1975年から1978年にかけて高知,香川,三重および兵庫県の養殖ハマチ,マダイおよびウナギからStaphytococcus epidermidisを分離した。そして,これらの菌株の血清学的性状を交叉凝集反応,培養条件と加熱処理の凝集性に及ぼす影響,交叉吸収試験およびOUCHTERLONY法によるゲル内沈降反応によって調査した。その結果は次に示すとおりである。1.交叉凝集反応において供試菌株間に共通した抗原性がみられた。2.生菌状態では凝集しない菌株で,加熱処理後に凝集する菌株がみられた。3.吸収試験において各菌株に複数の抗原因子が存在することが認められた。4.菌株の培養条件が主抗原因子以外の抗原因子の凝集性に影響するものと思われた。5.ゲル内沈降反応は凝集反応の結果とほとんど一致した。6.因子血清を用いた血清型別において110-1株はA型,110-2株はB型,110-3,110-4,110-5,110-8,M110-1およびSHy-2株はC型,110-6と110-7株はD型およびK110-1株はE型に型別できた。また, SHy-1株はどの因子血清とも反応しなかった。
- 日本魚病学会の論文