寝たきり老人の基礎代謝量とエネルギー所要量
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1) 本研究は, 寝たきり老人の基礎代謝量を明らかにするとともに, 一般老人との比較を行うことにより寝たきり老人のエネルギー所要量を検討することを目的として行った。対象者は東京都内の特別養護老人ホームおよび養護老人ホームに入所している寝たきり老人10名と一般老人14名の女性であった。<BR>2) 寝たきり老人の身長と体重は, 一般老人と比べて統計的な差がなかったが, 除脂肪体重は有意に低かった。血中のHDL-コレステロール, カルシウム, および鉄濃度は寝たきり老人では有意に低く, とくにカルシウム濃度は正常範囲よりもかなり低い値を示していた。<BR>3) 寝たきり老人の基礎代謝量は, 一般老人よりも有意に低く, その値は22.5±5.Okca1/m<SUP>2</SUP>/時, 16.9±3.9kca1/kg/日, 23.9±5.0 kca1/LBM/日, および636.3±166.4kca1/日であった。これらの値は一般老人よりも20〜30%低下していた。さらに, 基礎代謝量は基礎代謝基準値を用いて求あた推定値との間に相関関係を示さなかった。<BR>4) エネルギー消費量とエネルギー摂取量は, 寝たきり老人のほうが有意に低く, その値は一般老人よりも30%低下していた。寝たきり老人ではエネルギー消費量と摂取量の間に相関関係が認められなかった。<BR>5) 現在の基礎代謝量推定量を用いて算出するエネルギー所要量とエネルギー消費量との出納バランスがとれているエネルギー量は, 寝たきり老人で1,053kcalとなった。また, 算出されるエネルギー所要量が1,053kca1を基準に10%多く見積もられるごとに, 真のエネルギー必要量は57kcal少なくなることが認められた。
著者
関連論文
- 特別養護老人ホーム介護者の勤務および介護動作別作業強度
- 136.高齢者の日常生活動件能力(ADL)低下が基礎代謝量, 血液性状および栄養摂取に及ぼす影響
- 043G17 筋力,筋持久力および全身持久力に及ぼす小麦胚芽油投与の影響(4.運動生理,一般研究A)
- 385.女子実業団バレーボール選手のエネルギ : 消費量と栄養摂取量
- 16. 低カルシウム摂取状況にある青年期女子の骨密度に及ぼす有酸素的トレーニングの影響
- 1.高齢者の基礎代謝量と身体活動量
- 043102 4,000m団体追抜競走時の生体負担度および先頭交代に伴うスピード変化(4.運動生理学,一般研究B)
- 143.マウス骨格筋の線維タイプおよび線維面積に及ぼすスプリントおよび持久トレーニングの影響 : 運動生理II
- 75. 乳酸性閾値および呼吸循環系機能に及ぼす低酸素の影響 : 呼吸に関する生理科学的研究
- 116. 血漿あるいは血清中α-トコフェロール濃度に及ぼす各種運動ならびにビタミンE投与の影響 : 運動生理学的研究I : 第42回日本体力医学会大会
- 043212 NormoxiaおよびHypoxia条件下でのパフォーマンス、最大酸素摂取量ならびに"Anaerobic Threshold"に及ぼすビタミンEの影響(4.運動生理学,一般研究B)
- 282.中高年女性の運動習慣, 体力および血液性状に及ぼす健康教室の効果
- 112.運動強度と血中過酸化脂質濃度との関係 : 生物科学I (呼吸・循環,代謝など)
- 37.漸増運動中の血中乳酸濃度とアドレナリンおよびノルアドレナリン濃度との関係 : 生物科学I (呼吸・循環,代謝など)
- 043I04 生体負担および血液成分に及ぼすサイクリングの影響
- 041H12 TDMAと血中乳酸濃度および血液ガスとの関連
- 202. 中高年女性の体力および血液成分に及ぼすエアロビック運動の影響 : 中高年の体力に関する生理科学的研究
- 65. 血清あるいは血漿中過酸化脂質(TBA)濃度に及ぼす長時間運動およびビタミンE投与の影響 : 運動生理学的研究I : 第42回日本体力医学会大会
- 042307 長時間運動に及ぼすビタミンE多量摂取の影響(4.運動生理学,一般研究B)
- 4. 最大運動時の呼吸循環機能および0BLAに及ぼす低酸素の影響 : 第77回日本体力医学会関東地方会
- 91.大学男子ボート選手のローイング・パフォーマンスと呼吸循環系機能 : 運動生理学的研究I : 第41回日本体力医学会大会
- 短時間超最大運動のperformanceおよび生理・生化学的変量に及ぼすNaHCO3摂取の影響
- 13. 体液性および細胞性免疫系に及ぼす運動の影響 : 第94回日本体力医学会関東地方会
- 血中過酸化脂質濃度に及ぼす運動強度と時間の影響
- 高齢者の基礎代謝量と身体活動量
- 寝たきり老人の基礎代謝量とエネルギー所要量