おからテンペの<I>in vitro</I>における脂肪消化とコール酸代謝に及ぼす影響
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概要
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テンペ菌で醗酵させた“おから” (OT) を食品素材として活用するため, OTの食品的機能を脂肪消化と胆汁酸代謝の面から検討した。まず, <I>in vitro</I>におけるOTのリバーゼやオレイン酸に対する結合力とOTから調製したneutral detergent fiber (OT-NDF) のデオキシコール酸 (DCA) 結合力を調べ, 次いで, 腸内細菌によるOT-NDFの醗酵がコール酸 (CA) 代謝に及ぼす影響を調べ, 以下の結果を得た。<BR>1) OTはリバーゼやオレイン酸ならびにCAとの結合力が小麦麩より小さかった。これらの結果から, OTは脂肪の消化を妨げる作用が弱いことが示唆された。<BR>2) OT-NDFはDCA結合力がセルロースより強かった。したがって, OTの消化残渣は胆汁酸の排泄を促進する可能性が示された。<BR>3) OT-NDFはラットの腸内細菌によるCA代謝に影響を及ぼさなかった。<BR>以上の結果から, OTは生理的観点からも食品素材として適性を備えていると考えられた。