食品中の種々の鉄剤が鉄の生体利用性に及ぼす影響
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概要
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貧血ラットに各種鉄剤を含む回復食を投与し, 7日目のHb, Ht値および14日目の血清鉄, 総鉄結合能, 臓器鉄を測定することにより貧血回復の度合を評価して, 鉄剤の種類や形態の違いが生体利用性に及ぼす影響を検討した。得られた結果は以下のとおりである。<BR>1) 使用した鉄剤のなかでは, 硫酸第一鉄とオルトリン酸第二鉄の生体利用性が最もよく, コロイド性ピロリン酸第二鉄もそれらとほぼ同等の生体利用性を示した。<BR>2) 粉末ピロリン酸第二鉄はその乾燥条件によって生体利用性に違いがみられた。しかし, いずれの場合も, そのままの状態で粉末飼料に配合すると生体利用性は硫酸第一鉄に比べて劣っていた。<BR>3) 粉末ピロリン酸第二鉄は, あらかじめデキストリン, あるいはデキストリンおよびビタミンCの両者と反応させることにより生体利用性が大きく改善された。これは, 飼料中に加えた鉄が生体に利用されやすい状態に変化したことによるものと考えられた。
著者
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米久保 明得
明治乳業 (株) 中央研究所
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本田 秀二
明治乳業 (株) 中央研究所
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小野田 敏昭
明治乳業 (株) 中央研究所
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岡野 真理子
明治乳業 (株) 中央研究所
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山本 良郎
明治乳業 (株) 中央研究所