米国の疾病予防支援サービス事業における保険技術の活用
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概要
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米国で発展した,慢性疾患の患者・患者予備軍の集団に対し,合理的統合的継続的なアプローチによって集団の疾病リスクを低減させる疾病予防支援サービス事業について,保険事業の保険技術の観点から検討した。合理的統合的継続的なプロセスとして,対象とする患者集団を特定する「患者集団の特定」,患者集団に属する者のリスクの程度を判断し,リスクの大きさに応じてグループに分ける「階層化」,階層化したグループ別に患者と医療プロバイダーへ「働きかけ」を行い,どのような効果をあげたか測定する「効果測定」,再アセスメントして継続するプロセスがある。これらのプロセスには,保険事業で形成された保険技術と同じ機能を有する技術が使われている。保険事業の事業形態に関し,保険事業において蓄積された保険技術が応用可能な領域が存在している,リスクの引受分散を行う事業とリスク低減を行う事業を統合する事業形態の可能性があるなどの示唆が得られる。
- 日本保険学会の論文