急性期の伝染性単核症児におけるTリンパ球の表面マーカーの分析
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概要
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伝染性単核症児のリンパ球表面マーカーを検索した. CD4+細胞は19.9±9.0%, CD8+細胞は59.4±6.9%, CD4/CD8比は0.29±0.16でCD8+細胞の増加, CD4/CD8比の低下を認めた, HLA-DR+ CD8+細胞は81.1±8.9%, HLA-DR+ CD4+細胞は64.2±15.0%で,特に, HLA-DR+ CD8+細胞の増加が顕著だった, CD2R+細胞およびIL2Rα+ (CD25+)細胞の増加はなかったが, IL2Rβ+ CD3+細胞は40.8±22.6%と増加していた.さらに, CD7+細胞の減少, CD45RO+ CD8+細胞の増加を認めた.これはCD8+T細胞の活性化,メモリー型細胞の増加を意味している所見と考えた.単核球にIL2またはPHAを添加し,増殖能を3H-thymidineの取り込みにより検討した. IL2による増殖は大きかったが, PHAでは小さかった. IL2ではHLA-DR+ CD8+細胞の増加がみられ,その増加した細胞はCD7+であった. PHA刺激ではその数は少ないが, HLA-DR-細胞がHLA-DR+細胞に, CD7+の蛍光強度の増加がみられた.また,培養液のみで48時間培養したところ,対照のリンパ球に比較して患児のリンパ球は死滅する比率が高かった.