多彩な臨床症状を呈した後天性免疫不全症候群(AIDS)の1例
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概要
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多彩な臨床症状を呈した後天性免疫不全症候群(AIDS)の1例を報告した.症例は36歳の男性で同性愛者であった.真菌性肺炎,口腔内カンジダ症,カリニ肺炎の既往を有し,今回は複視と意識障害を主訴に入院した.記銘力の低下,集中力の低下,無気力,精神運動の遅延などの典型的なAIDS痴呆症の症状を呈し,神経学的には右外転神経麻痺,右眼の耳側視野欠損および両足底の異常知覚を認め,右眼底には黄白色斑を認めた. CD4: 1.6% (3/mm3), CD4/CD8: 0.03,芽球化反応はPHA: 3,326cpm, Con-A: 821cpm, control: 275cpmと,強度の免疫不全状態を呈していた.脳CTで進行性の脳萎縮を,脳血流スキャンで頭頂〜後頭葉の血流低下を, EEGで睡眠脳波を認めた.種々の治療にもかかわらず病態は改善せず,サイトメガロウイルス肺炎あるいは中枢性の呼吸麻痺で死亡した.経過中好酸球増多,多クローン性高γグロブリン血症,血小板減少,溶血性貧血を認めた.
著者
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新垣 均
琉球大学第2内科
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仲宗根 正
琉球大学第2内科
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荒木 弘一
琉球大学第2内科
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増田 昌人
琉球大学第2内科
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大城 一郁
琉球大学第2内科
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下地 忠夫
琉球大学第2内科
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三村 悟郎
琉球大学第2内科