著明な血小板減少症を伴った慢性関節リウマチの1例
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概要
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症例, 75歳女性. 10年来の慢性関節リウマチでステロイド剤を内服していた.昭和60年4月22日,血小板減少と皮下出血を認め,精査のため当院に入院した.入院時検査では血沈124mm/hr, RAテスト2(+),関節の破壊・変形も著明でclassical RAであった.血小板数5×104/μlであったが赤血球数,白血球数は正常であった.骨髄像は巨核球の減少はなく,血小板寿命の短縮,脾での血小板とり込みの増大, PAIgGの増加を認めたことより自己免疫性血小板減少症と診断した. γ-グロブリン大量療法,ステロイド療法を試みたが効果なく,血小板は徐々に減少し1年後には1×104/μl前後となり,最後には敗血症のため死亡した. RAに伴う血小板異常は血小板増多が普通であるが,血小板減少もFelty症候群, drug inducedの場合によく知られている.最近PAIgGの測定がなされるようになり,自己免疫性血小板減少症がRAに合併することが報告され,本例もこれに相当するものと考えられた.しかし,末期には白血球減少症も合併し,脾腫はないものの完全にFelty症候群を否定することはできなかった.いずれにしても,本症のごとき著明な血小板減少,出血傾向をきたした症例の報告は初めてと思われ,ここに報告した.
著者
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