〈失語か非失語か-診断と治療の方向性を探る-〉画像診断からみた失語症の病態生理
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概要
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失語症の画像診断では,(1)古典的な言語領野を理解し,その部位の障害を明らかにすること,(2)失語症の原因疾患を診断し,その病態を知ること,(3)非失語性の言語障害を引き起こす可能性のある部位での障害の有無を検討すること,などが重要である.大脳病変の形態学的診断には,X線CTやMRIが有用であり,機能的診断には,脳血流代謝の測定が実施されている.脳の障害は常に形態学的に診断できる非可逆的な障害ばかりとは限らない.また,失語症を生じた疾患の病態を理解しておくことも重要である.脳血管障害では脳梗塞と脳出血の鑑別が必要であり,脳梗塞であれば,脳血栓と脳塞栓を区別したい.なお,脳血管障害の病態生理は急性期から慢性期にかけて劇的に変化することもある.痴呆性疾患では脳血管性痴呆と老年痴呆を鑑別したい.非失語性の言語障害としては構音障害が重要であり,錐体路の解剖学的局在は常に理解しておきたい.
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