/s/に構音の誤りのある機能的構音障害児の音声知覚について
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概要
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誤って構音する音や正しく構音できる音を含む音声同定課題において,機能的構音障害児と構音障害のない子供とを比較した.同定課題は,4種類の刺激,/s/-/t/の対立,構音点が異なる子音の対立,構音点と構音様式の異なる対立,母音の対立を語頭に含む2音節の単語で構成されていた.被験児は,13人の/s/に構音の誤りがある小学1年生の機能的構音障害児,20人の構音障害のない小学1年生であった.被験児は,4種類の刺激を提示され,それに対応する絵カードを指さすよう指示された.結果から,機能的構音障害に次の3つの傾向の存在が推測された:(1)音声刺激の同定を全く誤らないもの,(2)構音を誤る音の目標音を同定する際,他の音と混乱するもの,(3)音声刺激の同定の際,注意が瞬間的にそれ,誤って構音する音の目標音以外にも同定を誤るもの.