〈吃音問題の本質をさぐる〉世界の研究の動向
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概要
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過去5年間(1988-1992)のASHA Annual Conventionで発表された吃音研究を概観し,世界の吃音研究の動向を考察した.演題数は,58,54,62,62,58であり,各年とも全体の約4-5%である.研究の内容を,1)吃音児・者に関する研究(生理学的研究,言語学的研究および発達的研究,追跡研究など),2)聞き手に関する研究(社会人などの意識や母親の非言語的行動など),3)セラピー方法に関する研究(対象は成人・学童・幼児),4)その他(セルフヘルプグループおよびクラタリングのような関連の障害)に分類し,主たるものを報告した.総括すると,生理学的研究,特にspeech motor controlに関する研究の増加と,セラピー対象の年齢が幼くなったことが指摘される.原因論やセラピー法の混迷は依然として解明されていないが,セラピスト自身の吃音観やセラピー理念を明確にし,臨床に従事することの必要性が論じられた.
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