超音波断層法による棘突起間距離を用いた小児の腎長径の評価法
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概要
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超音波断層法 (US) は,腎形態を評価する上で静脈性腎盂造影 (IP) に替わるファーストラインの検査となった。腎疾患には低形成腎を始めとして腎サイズの異常を呈する疾患が少なからず認められる。腎長径には年齢ごとの正常値が存在するが,静脈性腎盂造影 (IP) が汎用された時代には簡便な方法として同時に撮影される椎体の厚さとの比が用いられていた。今回われわれは,195名の腎尿路奇形を有さない児に対しUSを施行し,腎長径と身体的パラメータの関係を明らかとするとともに,USで同時に撮影したL4〜5の棘突起間距離を用いた腎長径の評価法について検討した。結果,腎長径は身長と最も高い相関を示した。また,腎長径はおおむねL4〜5棘突起間距離の4〜6倍となることが示された。L4〜5棘突起間距離はUSで容易に測定でき,変換式や身長別正常値表も必要としないことから,腎サイズを簡易的にスクリーニングする上で有用な評価法となる可能性がある。
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