ヒト口蓋扁桃の免疫組織学的研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
研究目的:絶えざる抗原刺激を受けているヒト口蓋編桃に他のリンパ系組織と異なつた独特な免疫機構があるか否かを免疫組織学的に検討した.特に(1)二次小節の特徴と変化,(2)リンパ球の移動,(3)非炎症期および炎症期での各種免疫グロブリンの組織内局在に注屋し観察した.研究方法:二次小小節の特徴と変化およびリンパ球の移動を観察する為にH-Eを用い検討した.IgG,IgA,IgMおよびIgE各種免疫グロブリンとtransport pieceの組織内局在を観察する為に螢光抗体法を用いて検討した.研究結果:1)二次小節には活動二次小節,被膜形成二次小節,硬化二次小節の3型がある.2)口蓋編桃は抗体を産生する.螢光抗体法を用いてIgG,IgA,IgMおよびIgE各種免疫グロブリンの陽性局在をみた.IgG,IgAおよびIgE産生細胞は形質細胞であり,IgM産生細胞はリンパ球様細胞である.3)IgG,IgA陽性分布は非炎症期より炎症期の方が活発であつた.4)IgM,IgE陽性分布は非炎症期より炎症期の方が少なかつた.transport pieceは認められなかつた.5)螢光抗体法にて年令,扁桃の大きさ,炎症発症病日で各種Ig.局在に大きな差を認めなかつた.6)急性扁桃炎,陰窩性扁桃炎群と扁桃周囲膿瘍群で各種Ig.局在の差を認めなかつた.
- 社団法人 日本耳鼻咽喉科学会の論文