花粉症の研究
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概要
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目的:花粉症について主として抗原の面を中心的に総合的検討することにより,その病態と特徴とを明らかにし,アトピー型アレルギーの発症機序の解明を試みた.実験方法:1.花粉症の発症頻度と病像の特徴を室内塵アレルギーと対比させながら,臨床的な面から分析検討した.2.花粉症患者のPK抗体価,血清IgE濃度を抗原別に比較検討した,結果:1.過去4年間に当科において診断された花粉症患者は鼻アレルギー患者のうち26%にあたる123例で,20才台での発症が多く,抗原性の強い花粉によるものほど若年時に発症しやすかつた.その73%に眼鼻症状がみられ,症状の上からは11%が花粉喘息と考えられた.2.抗原別には草本花粉>樹木花粉>室内塵の順に抗体価が高かつた.血清IgE濃度は健康人のそれと比較して大きな差はなかつたが,経時的にみた13例では発作期に大多数のもので上昇がみられた.
- 社団法人 日本耳鼻咽喉科学会の論文