Acetazolamideの蝸牛電位におよぼす影響
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概要
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アセタゾールアミドは,炭酸脱水素酵素の抑制剤であるが,炭酸脱水素酵素は,蝸牛に,他の組織,器官に比し,最も多く含まれていることが知られている.又,アセタゾールアミド投与後,内外リンパのイオン構成,液量,圧に変化が生じることが,報告されている.そこで,内外リンパイオンの変化等に容易に影響されるCMに,アセタゾールアミドが,変化をもたらすか否かを観察した.実験方法は,Preyer反射良好のモルモツトを使用し,differential electrode methodにより,基底回転より,CMを誘導し,50mg/kg,および200mg/kgのアセタゾールアミドを,頸静脈より注射し,CM出力に現われる変化を観察,記録した.実験成績は,50mg/kg,200mg/kg投与,いずれの場合も,CM出力の低下をきたしたが,量が少ないと,CMの低下は軽度で,経過は緩慢であり,量が多くなると,CMの低下は甚しく,時間的にも急速な上に,二次的減少を伴なう事が分つた.CM低下の原因として,内外リンパ液のNa,Kイオン濃度の変化,内外リンパ液量の減少,圧の減少が考えられるが,それは,アセタゾールアミドが,内耳液の生成吸収の機転を阻害するためであろうと推測した.