下咽頭平滑筋肉腫の1症例,ならびに頭頸部領域における平滑筋肉腫の文献的観察
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概要
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40才,男子の右側梨状陥凹より発生した,平滑筋肉腫の1症例に関して述べた.すなわち,嗄声と呼吸困難とを主訴として来院したが,下咽頭右側梨状陥凹に中心をもつ直径約6cmの,ほぼ球形の腫瘍が存在し,これが喉頭を圧排していた.右側頸部にも,硬い不動性の長径約7cm,短径約4cmの楕円形,扁平の腫瘤を認めた.この頸部腫瘤の試験切除にて本症と診断した.60Coによる放射線治療には抵抗を示したが,下咽頭,喉頭および頸部腫瘤とを一塊として摘出し得て,術後経過良好であるかにみえたが,脳と肺に転移を認め,全身衰弱にて死亡した.頭頸部領域における本腫瘍の発生は,きわめてまれなものである.本症例とともに,内外文献にみられた当領域における本症に関して,検索を加えた.
- 社団法人 日本耳鼻咽喉科学会の論文
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