海底鉱物資源とその開発
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概要
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大陸も海洋底もともに地殻上層の一部を成すが, 地球物理, 地質学上のデータから見て, その構造には著しい差異が認められている。大陸においては比重の比較的小さい物質より成る岩石が地表より相当の深度までを占めていて, その下に比重の大きい岩石があり, 海洋底では比重の小さい物質より成る堆積物や岩層はきわめて薄くなつていて, 比重の大きな岩石がきわめて海底に近づいて位置していることが知られている。大陸に接する海底部は構造上より見て, むしろ陸地に近似し, 海洋の中心に近づくに従つて海洋底の特徴が明らかとなる。<BR>海底の上には厚い海水の層があつて, 海底に及ぼす影響は海水という特別な溶液の性質を通して行なわれるから, 陸地の場合と異る地質現象がある。海水は陸地を蔽う大気または淡水に比べて比重が大きく, 各種の元素が塩類として溶け込み, 弱アルカリ性を呈し, 含有瓦斯量も海水の組成や物理的変化に応じ変化している。海洋水のエネルギーは波浪, 潮汐, 潮汐流, 海流等の形で認められ, これらの海水の運動が海水中に浮游する無機物有機物の移動や沈積に大きな密接な関連を示す。また海水中には各種の生物が繁殖し, 海底堆積物の生成の源を作つている。海底に堆積した物質は, 基盤岩石上においての累積時間経過の過程で変化を生ずるがある種の鉱物は固化の進行する間に生成される。<BR>海底にある鉱物をその所在より大別すると, 海底の堆積物中にあるものと海底の基盤を作る岩石中にあるのとに区別することができる。<BR>海水下にある地殻の部分を海底と呼ぶとするといくつかに区別することができる。
- 社団法人 東京地学協会の論文
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