國立公園の地形と景觀
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概要
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國立公園の設置運動が始まり, 九州がら北海道まで12箇所が指定されるまで, 國立公園協会の役員として断片的な記事は沢山書いたが, 全体に亙つて案内記風なものを作るだけの準備は未だない。全く見た鳶とがない場所も一, 二ほあるし, 限られた紙面で地形や景観のあらましをうまく記述し得る自信もないが, せめて片鱗なりとも傳えることが出來れば幸であると考え, またそれが何となく自分の義務であるよ5にも思われる。ただアメリカの國立公園などに関しても, 地質学者のアトウッドがクレーターレークの調査をしたり, マセスがヨセミテの研究に没頭したことを知る程度であり, スウェーデンでは地理学者のアンリックがヴォーラ・ナショナルパルク「我が國立公園」の小研子を出したのを見たに止まる。観光産業とその計画を地理挙の問題として取り上げ, 研究と鷹用の両方面に正確な資料を提供することは, 他日有能の士が出るのを待つことにして, とにかく全國に分布する40数箇所の國立公園に就て, 極くざつ乏した概観を試みることにする。
- 社団法人 東京地学協会の論文