コスタリカの地誌
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概要
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中央アメリカの小国コスタリカは農業国であるが, 近隣の諸国に較べて一般の生活程度は高い。人口増加が激しいので, この生活程度をいかにして維持するかがこの国最大の問題である。住民の大部分はスペイン系の白人で, 気候条件のよい中部の高原に集中している。こゝが国内で最も開発の進んだ地方である。低地には少数のニグロの労働者があり, 純粋のインディアンは南東部の山地に少数が残存する。実地における調査に基づいて国内を次の4つの地理区に区分する。<BR>1. カリブ海沼岸の低地<BR>高温多湿の不健康地だがプランテーションが発達し, アバカ麻・ゴム・カカオなど, この国の換金作物の大部分をだす。昔さかんだつたバナナの栽培は太平洋岸に移つた。<BR>2. 中部の高地<BR>気候が温和で国内でも最も開発が進み, 主要都市の大部分はこゝに集中している。この地方の中央に山間盆地、のメセタセントラルがある。コーヒーの産が多い。<BR>3. ガナカステ地方<BR>国内で最も乾燥した気候の地方で, 開発が進まず人口は稀薄で牧牛がおもな産業である。<BR>4. 南部太平洋岸地方<BR>気候はカリブ海沿岸の低地に似ているが, 乾季がやゝ明瞭である。1938年以来こゝにアメリカの会社が経営するバナナの農園ができて以来, 人口が激増を続けている。