Rectoceleが原因と考えられる糞石の1例
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概要
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症例は51歳女性, 以前から排便困難があり, 近医で下剤の処方などをうけていたが, 時に排便困難は非常に悪化し, 過去5回, 病院で浣腸, 摘便を受けていた. 平成11年12月再びおこった排便困難のため来院した.<BR>肛門診で深いrectoceleを認め, 直腸内に径5cm大の糞石を認めた. 糞石は容易に摘出できず, 最終的に腰椎麻酔下に内視鏡を併用して摘出した. 後日行ったvideodefecographyで糞石の大きさに匹敵するrectoceleが認められ, 直腸内でバリウムがrectoceleのpouch部分で押し固められるような動きが観察された. 糞石の原因はこのrectoceleにあると考え手術を行い, 現在まで糞石の再発はみられていない.<BR>糞石の原因として直腸肛門機能異常を指摘した論文は見あたらず,病因を考える上で貴重な症例と考えられた.