ポジティブ画像記憶の意図的抑制
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究はThink/No-Thinkパラダイム(Anderson & Green,2001)を用いて,ポジティブ画像記憶の意図的抑制が可能かを検討した.方法は学習段階,Think/No-Think段階,最終テスト段階の3段階から構成されていた.学習段階において,実験参加者(N=34)は手がかり(ニュートラル単語)とターゲット(ポジティブもしくはニュートラル画像)の刺激ペアを学習した.その後,正解率が80%を超えるまで手がかり再認テストを行った.Think/No-Think段階では,手がかりのみが反復して提示された(0回,6回,12回).0回反復のペアは記憶の促進と記憶の抑制を評価するためのベースラインとして使用された.赤色の手がかりに対して,実験参加者はペアとなっていたターゲットを思い出した.緑色の手がかりに対しては,ペアとなっていたターゲットを抑制した.最終テスト段階では,手がかり再生テストを行った.結果,ポジティブ,ニュートラル画像共に,抑制されたターゲットはベースラインのターゲットよりも記憶成績が低かった.画像記憶の抑制が頑健であること,そして感情価によって抑制中の主観的体験が異なることが示唆された.
著者
関連論文
- 検索誘導性忘却における抑制と解除への加齢の影響
- 連想構造を持つリストにおける検索誘導性忘却への加齢の影響
- ポジティブ画像記憶の意図的抑制
- 線画の対象検出における視覚的・意味的文脈効果 : 先行呈示の種類の効果(日本基礎心理学会第22回大会,大会発表要旨)
- N-back課題を用いた視覚的ワーキングメモリの保持と処理の加齢変化
- 再認課題からみた高齢者における視覚的短期記憶