慢性機能性便秘症例における3種類のX線不透過マーカーを用いた大腸通過時間の検討
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概要
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X線写真上識別可能な3種類のX線不透過マーカーをおのおの5日前,3日前,1日前に経口投与して腹部単純撮影を1回行う方法で,消化管に器質的な異常のない慢性機能性便秘症例19例の大腸通過時間を検査した.19例中12例は大腸通過時間に異常な延長のないnormal transit,残る7例は通過時間の延長のあるslow transitと判定された.slow transitの7例については,3日間経過したマーカーの分布の重心位置が脾彎曲部より遠位にある3例をrectosigmoid delay,これが脾彎曲より近位にある4例をwhole colo ndelayとした.re-ctosigmoiddelayは直腸肛門部での便排泄障害によると考えられ,whole colon delayは大腸運動機能の低下によると考えられる.3種類のマーカーを用いる大腸通過時間検査は,少ないX線被曝と短い拘束時間で,慢性便秘症例の病態の鑑別とそれに基づいた治療法の選択を可能にする有用な検査法である.
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