V-1 その他
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概要
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痔疾を除くと肛門単独に存在する難治性疾患は多くない.しかし,肛門周辺の皮膚,下部直腸,仙骨や骨盤,あるいは腸病変,全身疾患に関連する難治性病変は多種多様である.日常診療で注意し鑑別すべき病変は悪性疾患と特殊炎症性疾患であり,慢性難治疾患の治療上,悪性や特殊炎症性病変の存在を知っておくことは肝要である.ここでは肛門原性の複数痔疾混在症例に対する形成手術手技と痔疾症状を主訴とした類基底細胞肛門癌の2症例,肛門周辺病変として肛門〓痒症と関連皮膚疾患および杙創の1症例,下部直腸関連疾患として嵌屯直腸脱,粘膜脱症候群,Dieulafoy型直腸潰瘍と巨大な肛門周囲膿瘍形成直腸癌の1例,他臓器と全身疾患に関連する病変として結核性痔瘻,クローン病肛門狭窄,血友病患者の後出血,肛門症状を主訴とした整形外科疾患,初療の術式選択が難しい直腸平滑筋(肉)腫などの症例を呈示し私見を述べる.