大腸リンパ管腫の2例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
従来, 非常に稀とされる大腸リンパ管腫は1932年に初めて報告されて以来, 本邦での報告例も近年の内視鏡の進歩に伴い増加しているものの未だ100例に満たない. 今回, われわれは2例の大腸リンパ管腫を経験したので報告する. 症例は60歳の女性と55歳の男性である. それぞれ腹痛, 下血, 下痢等の腹部症状の精査目的にて来院している. 2例とも大腸X線検査, 大腸内視鏡検査にて非常に類似した所見を認めた. すなわち大腸X線検査ではX線透過性のよい半球状の亜有茎性の陰影欠損を認め, 体位変換や圧迫にて容易にその形状の変化がみられたこと, また大腸内視鏡検査では注腸にて指摘された部位に一致して, 表面は正常粘膜に覆われたやや青白調の透明感のある隆起性病変を認め, 穿刺液はリンパ液であったことである. 詳細な大腸内視鏡検査にて大腸リンパ管腫の診断は可能であるといえる. 治療に関しては良性疾患の考えのもとに経過観察中である.
著者
-
都志見 久令男
都志見病院 心臓血管外科
-
小島 一馬
旭化成健保病院
-
塩飽 徳行
大腸検診センター天神幸ビルクリニック
-
森 秀美
大腸検診センター天神幸ビルクリニック
-
森 幸司
大腸検診センター天神幸ビルクリニック
-
武富 弘行
大腸検診センター天神幸ビルクリニック
-
河手 和元
河手医院
-
小島 一馬
旭化成健保病院消化器内科
-
都志見 久令男
都志見病院
関連論文
- 1.左外腸骨動脈ステント留置後, 人工血管置換術を施行した1症例
- PP119056 胸部食道癌に対する胸骨柄切除による頚部リンパ節郭清
- 巨大なBrunner腺腫の1例
- 甲状腺に穿通した食道魚骨の1例
- 慢性膵炎に対する十二指腸温存膵頭切除後の胃癌の1例
- 当院における腹部大動脈瘤手術症例の検討 : 腹部正中切開法と後腹膜外到達法との比較(第29回心臓血管外科症例検討会)
- 大腸癌と両側腎癌との同時性3重複癌の1例
- 脾原発性悪性リンパ腫の1例
- 特異な経過を示した胃悪性リンパ腫の2例
- 11. 3点セットガン検診(一般演題,平成3年度九州地方会)
- 大腸リンパ管腫の2例