ラットにおけるDMH誘発大腸腫瘍性病変の発生および増殖に及ぼす胆汁酸の影響 : とくに粘膜内異型腺管巣の動態を中心に
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概要
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糞流遮断空置大腸への胆汁酸注腸投与法により, 二次胆汁酸の実験大腸腫瘍に対する影響を, 主として平坦粘膜内に発生する異型腺管巣に注目し, 連続切片を用いて組織学的に検討した. (1) 胆汁酸はDMH投与された大腸粘膜に対し, 平坦粘膜内の異型腺管巣の数と異型度を増加させるばかりでなく, さらに異型腺管巣の一部を肉眼的観察可能な腫瘍性病変にまで発育させるとともにその発育を持続させた. (2) 胆汁酸投与時刻が早期かつ投与終了から屠殺までの期間が長いほど平坦粘膜内異型腺管巣および腫瘍性病変の発生頻度が増加した. (3) 胆汁酸のみの投与では腫瘍性病変の発生はみられなかった.以上の成績から, 本実験における大腸腫瘍性病変の発生過程がイニシエーション, プロモーションの2つの異なるプロセスからなり, その初期像が平坦粘膜内異型腺管巣にあること, 胆汁酸はこの異型腺管巣の発生と発育にプロモーターとして働くことが明らかになった.
著者
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