直腸癌局所再発予防に対する術中放射線照射療法の意義に関する研究
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概要
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直腸癌治癒切除後の局所再発予防のために, 8-12MeV の電子線を用いて15-20Gy の術中照射を行い, その有用性を遠隔成績を中心に検討した.進行直腸癌治癒切除例のうち, 術中照射が行なわれた43例を照射群とし, 61例の非照射群と比較した.累積5年生存率は照射群80.0%, 非照射群66.1%, 局所再発率は照射群7.0%, 非照射群19.7%であり, いずれも照射群が良好であった.累積5年無再発率は照射群85.8%, 非照射群73.5%で, とくに Dukes C で壁深達度が a2 以上の症例では, 照射群88.9%, 非照射群47.6%と有意に改善を認め, 外科的剥離面の癌遺残に対する効果の高いことが示唆された.局所再発例における disease free の期間は, 照射群平均22.0カ月, 非照射群平均12.6カ月であった.術中照射に起因する重篤な合併症や副作用は認められなかった.以上より, 治癒切除が期待できる進行直腸癌に対する術中放射線照射療法は, 局所再発の予防法として有効と認められた.
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