肛門掻痒症に関する考察
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概要
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肛門掻痒症の定義は明記されているが,その原因および分類は種々の報告があるものの一定していない.著者は当院における3カ年間に肛門掻痒を主訴として来た478例に対して原因別分類を試みた.本症例中,原因が明らかに肛門の原疾患(痔核脱出,痔裂,痔瘻),蟯虫によるもの,婦人科疾患によるもの計119例を除いて原因のつかめない359例に対し,詳細な問診,真菌検索,陰窩の深化の有無を検査した結果,アレルギー性57例(15.87%),真菌を検索し得たもの33例(9.19%),陰窩性のもの160例(44,56%),原因不詳のもの109例(30.36%)の群に分類した.陰窩性による掻痒症を否定する発表もあるが,著者は明らかに陰窩性と見られる症例を見出し,また食品によるアレルギー性のものでは生ニンニク摂取による急性発症を多く観察した.