経直腸的超音波断層法による直腸癌診断に関する研究
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概要
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術前に直腸癌の壁深達度診断およびリンパ節転移の有無の検索を行う目的で, 直腸癌50例, 直腸カルチノイド2例の計52例を対象に, 体腔内走査の経直腸的超音波断層法を施行し, 組織学的所見と対比してその正確性を検討, また切除標本の水浸下エコーグラムを描出して直腸癌の超音波組織特性についても検討し, 次の結果を得た.本法により, 骨盤内臓器が明瞭に描出され, 直腸癌腫はlow echo levelの像を, また転移リンパ節の典型像は辺縁鮮明な類円型のlow echo levelの像を示した.超音波所見により3群に分類した壁深達度診断では86.4%の正診率を示し, またリンパ節転移の診断に関しては75.7%の正診率を得た.以上の成績より, 本法は術前に, 直腸癌の客観的な壁深達度診断, リンパ節転移の有無の指摘が可能であり, 手術術式の決定において重要な検査法である.
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